自然薯と山芋や長芋など、それぞれ区別がつきますか?自然薯は、「他と比べて値段も高くて粘り気が強い」といったような、おおまかな違いは分かりますが、大和芋とか言われても、何がどう違うのかいまいち分からないですよね?
本記事では、1つ1つの芋の違いをご紹介しています。当サイトを読んだ後は、はっきりと、それぞれの芋の違いを説明できるようになっていますよ!
これらのイモたちは、じゃがいもなどの他のイモ類と違って、生で食べられるので、イモの世界では珍しい存在なんです!そんな興味深いイモたちのことを知ってあげてくださいね!
自然薯と山芋の見分け方|長芋・大和芋・とろろ芋の違い
それでは、早速1つ1つご説明していきましょう。
「山芋」はそれぞれのイモたちの総称
「山芋」とは、「ヤマノイモ科」に属しているイモ全部のことを言います。なので、自然薯、大和芋、長芋等も「山芋」なのです。「山芋」という品種は存在しません。
もともと「山芋」とは、日本原産のイモのことを指していましたが、現在では、その制限はないそうです。
「自然薯」は日本生まれのイモ
自然薯は、日本原産種で、日本の山に自然に生えているイモのことを言います。なので、「自然生」という漢字で、「じねんじょ」を表すこともあります。
自然薯も「山芋」の分類に入ります。一昔前では、山に自生している自然薯だけが「山芋」と呼ばれていました。
自然薯の長さは60cm〜1mほどあり、土深く埋もれているため、収穫するのが難しく流通量が多くありません。
すりおろした時の特徴
自然薯は非常に粘り気が強いので、すりおろしても、箸でつかめるほどしっかりとしています。皮ごとすりおろして、出汁など加えてとろろとして食するのが一般的です。
長芋は外来種
長芋は、中世以降に中国などから日本に渡ってきた外来種です。現在では、日本発祥の長芋も存在すると言われているようです。
長芋は、ヤマノイモ科・ヤマノイモ属の1種に分けられます。なので、長芋も「山芋」としてまとめられます。
長芋は、我々がスーパーなどで目にする機会が多く、筒のような細長い形をしています。自然薯と比べると、水分量が多くて粘り気も弱いという特徴があります。
すりおろした時の特徴
長芋は、水分が多いので、すりおろすとサラサラしています。粘りが少ないので、細切りにして、サクサクした食感を楽しむのが良いですね!
大和芋は奈良県在来のツクネイモ
大和芋は、南方原産種、つまり大陸から渡来したナガイモの一種である外来種です。
大和芋もまた、ヤマノイモ科に属する「山芋」です。ですが、日本の山に自然と生えている自然薯とは別の品種です。
大和芋とは、そもそも奈良県在来のツクネイモの品種で、黒い皮でげんこつ型をしていて、粘り気が強いという特徴があります。関東などでは、イチョウ芋のことを「やまと芋」と呼びますが、奈良県のとは全く別物です。
地域によってイモの呼び方が変わってくるので、ややこしいですよね!
すりおろした時の特徴
大和芋もまた、自然薯ほどではないですが粘り気が強い山芋です。すりおろすと粘り気がなめらかなで味も濃厚なので、つくねやすり身などに使われることが多いようです。
「とろろ芋」という芋はない
「とろろ芋」という品種は存在しません。生の山芋や長芋をすり下ろしたものを、とろろ芋と呼んでいるだけです。
「山芋グループ」に長芋・大和芋・自然薯が含まれている!まとめ
いかがでしたでしょうか。それぞれのイモの特徴や、呼び名の意味がご理解いただけたと思います。
自然薯も長芋も大和芋も全部、「山芋」というグループに入っていたのですね!元々は、生粋の日本生まれの自然薯だけが「山芋」と呼ばれていたのですが、今では、長芋や大和芋などの外来種も全部ひっくるめて「山芋」と呼ぶようになったそうです。
ただ、地域によって、山芋のことを「大和芋」やら「伊勢芋」とやら言ったり、スーパーでは、大和芋のことを、「いちょう芋」や「つくね芋」の呼び名で売られていたりするので、本当に頭がこんがらがってしまいますよね!
山芋と呼ばれるイモたちに含まれる栄養素にはさほどの差はありませんが、粘りが強ければ強いほど健康に良いとされています。なので、粘り気が多い順となると、自然薯>大和芋>長芋となるので、やはり自然薯が重宝されている理由が分かりますね!